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以前レッスンで新しい表現を紹介した時、「この表現は初めて見ました」と驚く生徒がいました。それまで何年も独学で中国語に触れてきた方でしたが、その表現はテキストにも辞書の例文にも見たことがなかったそうです。続けて「本当にネイティブはこの表現を使うんですか?」と少し疑うような口調で聞かれたので、「もちろんです」と即答しました。IESのレッスンは、ネイティブが実際の生活の中で自然に使う「本物」の表現にこだわって作られているからです。
正直、最初は少し不思議な質問だと感じました。IESでは実際に使われない表現をわざわざレッスンに載せることはありません。むしろ、教材を作る際には現地の友人やネイティブ教師に「これは今でも普通に使うか」「若い世代にも通じるか」を確認しながら選んでいるほどです。しかし少し考えてみると、世の中にはネイティブがほとんど使わない表現を、当たり前のように教えている教室も確かに存在します。教科書的で説明はしやすいけれど、実際の会話ではまず耳にしないような言い回しです。では、なぜそのような不自然なレッスンがこれほど広く作られてしまうのでしょうか。
理由のひとつは、「習いやすさ」よりも「教えやすさ」が優先されてしまうことです。日本語を多く交えて意味や訳し方を簡単に説明し、日本語の文法構造に近い言い回しに無理やり置き換えれば、生徒は「わかった」という達成感をすぐに得やすくなります。たとえばある単語を、本来の使われ方とは少しずれたニュアンスのまま、日本語の対訳一つだけで覚えさせてしまうようなケースです。たとえその表現がネイティブにはほとんど通じなくても、レッスンを見ている教師自身が「まあ言いたいことは伝わるだろう」と想像できれば、それで良しとされてしまうのです。こうした学習に慣れてしまうと、いざ現地の人や動画・ドラマの中で実際にネイティブの自然な言い方に触れたときに、「あれ、教わった言い方と違う。本当にこの言い方で合っているのだろうか」と戸惑うことになりかねません。せっかく時間をかけて覚えたのに、実践の場で自信を持って使えないというのは、とてももったいないことです。
同じような理由で、説明に時間がかかる、あるいは教える側にとって手間がかかるという理由だけで、大切な内容がカリキュラムからそっと省かれたり、本来の複雑さを削って簡単にしすぎられたりすることもあります。すぐに理解できないと生徒のやる気が落ちてしまうのではないかと心配し、そのリスクを避けようとするのです。しかし、多少分かりにくく、説明に一手間かかる部分にこそ、実は本当に大切なポイントが含まれている場合が少なくありません。文法の細かいニュアンスの違いや、似た表現の使い分けなどはその典型です。最初から誰でも簡単に理解できることは、言い換えればもともと知っていたことに過ぎない場合がほとんどです。そうした簡単な部分だけをなぞって勉強していても、実際の上達にはなかなかつながりません。
だからといって、他の中国語教室のやり方を一方的に否定したいわけではありません。分かりやすさを優先し、日本語に近い表現を多用した結果、たとえネイティブにそのままでは通じなくても「まあ、これで十分」と考える教室があってもおかしくはないでしょう。それもひとつの教え方の選択です。ただ、IESのレッスンは「まあ、これでいい」で満足する人よりも、「うん、これが本物だ」と実感できる中国語を求めている人のために作られています。
もちろん、それは決して楽な道ではありません。本物の表現をそのまま教えて、果たして生徒が無理なく理解できるのだろうかと不安に感じる学校や教師も少なくないはずです。教えやすさを優先したくなる気持ちも、正直よく分かります。しかしIESは、努力さえ続ければ、中国語が話せるようにならない人はいないと本気で信じています。そして、貴重な時間とお金を使って入学してくれた生徒の努力に見合うだけのものを、学校としても必ず返していかなければならないと考えています。だからこそ、日々のレッスン内容に細かく手を入れ続け、教材や説明の質を高く保つ努力を、開校から今日まで欠かしたことがありません。
生徒の努力も、教える側であるIESの姿勢も、お互いに信じ合っているからこそ、本物の中国語を教えることに迷いはありません。忙しい毎日の中でも、貴重な時間を割いて中国語の勉強に向き合おうとしている方。他にお金をかけたいことがたくさんあっても、レッスン費用を惜しまずに投資してくれている方。そして、決まった一人の教師や身近な友人にしか通じない中国語ではなく、初めて会う相手にも、どんな場面でも、自分の言葉がまっすぐ伝わるようになりたいと願う方。そんな、本物の中国語を身につけたいと本気で願う人たちのために、IESのレッスンはこれからも作られ続けます。
【留学生の体験談】教室で習った表現が現地でそのまま通じた話
🇨🇳 ハルビンでの語学留学、市場での買い物での出来事
IESのレッスンで習った「有点儿贵」(ちょっと高いですね)という表現を、渡航前は「本当にネイティブがこんな言い方をするのだろうか」と半信半疑に思っていました。ところがハルビンの市場で値段を聞いた時、思わずこの表現を使ってみると、店主さんは驚いた様子もなく普通に値引き交渉に応じてくれたのです。
教科書的で不自然な表現ではなく、実際にネイティブが日常的に使う言い回しを教わっていたからこそ、現地でそのまま通じたのだと実感しました。「本物」を教わることの意味を、市場でのやり取りひとつで身をもって理解した経験でした。