英検の受験方式の多様化について(3)

この記事の執筆・監修

岡田 真作(有限会社ワイアールシー 取締役 / 成人教育研究者)

横浜国立大学大学院にて「大人の学習継続」を研究し、人との交流が学習効果を高めることを実証。その学術的知見と長年の英語教育・留学支援の実績を融合し、挫折せず楽しく続けられる独自の学習カリキュラムを展開。「今度こそ英語を話せるようになりたい」という受講者の目標達成を強力にサポートしています。

 

英検の受験方式の多様化について


 英検の受験方式の多様化について、前々回から実用英語技能検定=通称英検の受験方式の変化について取り上げました。
今後、4つの受験方式から受験生が選ぶ形になるとお伝えしました。
変更した大きな要因の一つは今後大学試験で実施予定の、英語試験の外部委託の際の必要条件を満たすためでしょう。
実際、新方式のうち2つは、高校3年生のみが受験可能になっています。
従来の方式=1次試験合格者のみが別日程で2次試験を受験可能という方式は大学受験の際の外部テストとして認められませんでした。


前回まずは従来方式、およびS-interview 方式についての利点、不利な点をお伝えしましたが、今回はS-CBT方式とIBT方式です。


S-CBT方式のメリット
・一日で全て(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)のセクションのテストが受験できる。そのことで従来方式と違って、全員がスピーキングテストの受験ができる。
・録音方式なのでスピーキングテストにおいてテスト面接官による誤差が出にくくなる。
S-CBT方式のデメリット
・現時点で1級はこの方式で受験できない。
・現時点で高校3年生のみが受験でき、一般の受験生には対応していない。
おそらく現時点でこの試験が、一番受験生が利用する可能性が高いテストではないでしょうか。
IBT方式のメリット
・S-CBT方式と同様、一日で全て(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)のセクションのテストが受験できる。そのことで従来方式と違って、全員がスピーキングテストの受験ができる。
・やはりS-CBT方式と同様、録音方式なのでスピーキングテストにおいてテスト面接官による誤差が出にくくなる。
・誰でも受験可能。
IBT方式のデメリット
・現時点で1級、準1級はこの方式で受験できない。
個人的には最終的にIBTテスト方式が一般的になるのではと思っています。準1級、1級もこの方式で受験できるようになれば、受験日数、採点時間などがかなり短縮できると思います。
次回再度まとめてみようと思います。


【留学生の体験談】録音式スピーキングテストの練習が留学面接で役立った話

🎙️ 英検のS-CBT方式で慣れた録音回答が、留学先の入学面接で活きた学生の経験

留学前にS-CBT方式で英検を受験した学生が、留学先の語学学校の入学時オンライン面接で "Please record your answer after the beep."(ビープ音の後にあなたの回答を録音してください)という同じ録音形式の質問に出会い、落ち着いて対応できたことがありました。対面の面接官がいないと緊張感が薄れて逆にやりやすいと感じる人、間や表情のフィードバックがなく話しにくいと感じる人がいますが、この学生は英検の練習を通じて後者の不安を先に克服できていました。

「誰もいない画面に向かって時間内に話し切る」という経験を事前に積んでいたことで、初対面の面接官相手でも臆せず自分の考えを述べられたそうです。試験対策のつもりで取り組んだ練習が、思わぬ形で留学準備の一部になっていたと振り返っていました。