聞くだけで身につくは・・楽じゃない

この記事の執筆・監修

岡田 真作(有限会社ワイアールシー 取締役 / 成人教育研究者)

横浜国立大学大学院にて「大人の学習継続」を研究し、人との交流が学習効果を高めることを実証。その学術的知見と長年の英語教育・留学支援の実績を融合し、挫折せず楽しく続けられる独自の学習カリキュラムを展開。「今度こそ英語を話せるようになりたい」という受講者の目標達成を強力にサポートしています。


6. 聞くだけで身につくは・・楽じゃない

「英語を学ばずに身につけたい」って言う人は少なくない。
「聞くだけで身につく」とか、「母語は別に勉強や暗記しようなどしなくて覚えただろう?」とかもよく言われています。


たしかに母語は勉強しなくてもできたものなので、同じように外国語ができるようなる道があったら魅力的でしょう。
しかし、母語は本当に苦労しなくてできたかどうか、もう一回考えてみましょう。


生まれたばかりの赤ちゃんはもちろん喋れません。
大体一歳ぐらいになると少しずつ単語一個ずつ使えるようになる。
二歳になると簡単な文章を作れるようになるが、喋れようとしても親に通じないときもけっこうありますよね。
ということは、単語一言を使えるようになるには丸ごと一年かかってしまう。
文章を作るには二年間。


そしてこの遅いペースでも、周りの耳に入ったり自分から使おうとする言葉は無論全部その母語の言葉です。
赤ちゃんにはそんな忙しい生活はしていないのでこれでいいかもしれないが、今の自分でこんなに遅い進歩でもいいのかな?
そして毎日仕事場でも、家でも、友達と会うときでも自分だけではなく、周りの人も日本語をまったく使わずに、英語しか使わないこと。
この状況でいられたら、730日間が経つとやっと簡単な文章を作られる。


そしても一つのこと。
赤ちゃんはたくさん泣くのはなぜだろう?そう、言葉を使えないからなんです。
オムツが汚れても、お腹が空いても、疲れても、病気でも、泣くしかない。
勉強しないで言葉を身につけるって、案外大変なことはけっこうあります。


たとえば自分が旅行中でお腹が空いてレストランでご飯を注文したいとか疲れてホテルの部屋をとりたいとかトイレが近くなって化粧室はどこにあると聞きたいなどの時に、困って泣くことにならないように英語は勉強として頑張ろう。


【留学生の体験談】「聞き流し」だけでは話せるようにならなかった話

🎧 リスニング教材を聞き流すだけの勉強法を試した留学生の経験

留学前、「英語は聞き流すだけで自然に身につく」という話を信じて、通学中や寝る前にひたすら英語のポッドキャストを聞き流す勉強法を半年間続けていました。しかし実際に留学して現地の店員に "Can I get a refill, please?"(おかわりをもらえますか?)と言おうとした瞬間、聞いたことはあるはずの表現なのに、自分の口からは全く出てこないことに愕然としました。

その後、聞いた表現を自分で声に出して繰り返す練習に切り替えたところ、同じ半年でも会話で使える表現の数が明らかに増えていきました。赤ちゃんが泣きながらでも言葉を発する練習を重ねるように、聞くだけでなく実際に口を動かして使ってみることが上達の近道なのだと実感した経験です。

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